肌の構造や役割を理解すると、
見えてくるのは「肌」と言う組織の完璧さ。
そんな完璧な肌の機能が、
正常に働く鍵を握っているのが…
ハイイロネコ
目次
皮脂膜の成分と役割
皮脂膜とは、
皮脂(油)と汗(水)が肌の上で自然に混じり合って膜状になったものです。
皮脂膜の成分
皮脂の成分 |
スクワレン
コレステロール
ワックスエステル
トリグリセライド
脂肪酸
|
汗の成分 |
水
尿素
アンモニア
アミノ酸
乳酸塩
ミネラル
|
それぞれ皮脂の成分と汗の成分、
これらが混ざりあって乳化されたものが皮脂膜です。
油と水を乳化して作られる、
と言う点では乳液や保湿クリームと同じ。
皮脂膜も天然のクリームと呼ばれていて、
肌に欠かせない重要な役割を担っています。
皮脂膜の役割
- 皮膚の表面に広がることによって水分の蒸発を防ぎ、肌を乾燥から守る。
- 皮膚の常在菌によって弱酸性に保たれていて、外部から来た細菌の繁殖や侵入を防ぐ。
- 表皮のターンオーバーを促す。(ターンオーバー=新陳代謝)
と、色々あるのですが、
要はすべて角質層の保護と補強をしています。
角質層単独でもバリア機能や保湿機能は保持しているのですが…
それらのうえに膜を張ってさらに補強してくれるのが、
この皮脂膜です。
皮脂膜が肌に与える影響
皮脂と汗で出来ていると聞くと、
なんとなくその重要性にピンと来なさそうですが…
これがあるか否かで肌の状態は雲泥の差です。(以下参照)
ハイイロネコ
皮脂膜がある肌はどうなる?
皮脂膜が不足している肌はどうなる?
皮脂膜を正常に保つスキンケア
このように、
とても重要な役割を果たしている皮脂膜ですが…
その構造はただの油+水で出来たクリーム。
スキンケアの方法や使用する化粧品によっては、
簡単に取り除かれてしまいます。
皮脂膜がなくなる原因
皮脂膜が減少したり、
なくなってしまう原因は以下のとおり
- 過剰な洗顔(回数も含む)
- 角質を除去するピーリング剤などの使用
- 角質層より先に浸透させる化粧品の多用(基本的には医薬品や医薬部外品等)
- 洗浄力や脱脂力の高いメイク落とし、洗顔料などの使用
- 加齢による皮脂分泌の減少
最後の加齢によるものは仕方がないとして、
他はすべて過剰なスキンケアによるもの。
洗顔後に何もしない状態で10分くらい放置した時に
「乾燥している」と感じるのであれば…
それは皮脂膜が取り除かれた状態です。
ハイイロネコ
なんて状態が当たり前になっている人は要注意!!
皮脂膜をつくるスキンケア方法
本来人間の肌は、
水かぬるま湯で洗うだけで十分なのです。
しかし…
化粧をしたり大気汚染のある外気に長時間晒されることもある現代人の生活には、
あまり現実的ではありません。
それなら、
せめて皮脂膜を取り除かないで済むスキンケアを目指したいところ。
- 洗顔は1日2回程度。
- 朝の洗顔だけでも水かぬるま湯のみで済ませる。
- 洗浄力や脱脂力があまり高くない洗顔料(メイク落としを含む)を使用する。
1番目と2番目は、有無も言わさずマストです。
ただし3番目に関しては、
メイク落としの洗浄力に応じた化粧品を使用する必要があるので…
人によっては、
今すぐに取り入れられる方法ではないかもしれません。
ハイイロネコ
いずれにしても、
できるだけ過剰な洗顔やスキンケアを避けることが美肌への第一歩。
出来ることから始めてみてください。
ちなみに…
ほとんど洗顔しないという選択も誤りなので要注意!!
水洗顔すらせずに放置し続けた皮脂膜は、
酸化や変質を起こして肌トラブルの原因になります。