昔はたくさん存在していたいわゆる「無料着付教室」ですが、
最近では同業者も減少し、TVCMまで放映できるほど一人勝ち状態となった日本和装さん。
しかし、検索してみるとマイナスな評判やクチコミがネット上に溢れているようで…
ハイイロネコ
と感じざるを得ないのが現状かもしれません。
そんな「無料着付教室」の実態を、かつて通っていた実体験からレポートします。
目次
着付の受講料は「無料」だが、その他の費用はかかる
先に結論から申し上げておくと…
あくまでも受講料は無料。
だからと言って、最初から最後まで0円で済むわけではありません。
まず、この「無料着付教室」でかかる費用には、
- 確実にかかる費用
- かかる可能性のある費用
の2種類があります。
その内訳を見てみましょう。
無料着付教室で確実にかかる費用
- 教室までの往復の交通費:人によるが数百円程度
- 懇親会(教室内)の費用、お茶・お菓子代:数百円程度
- TPO講座&販売会でかかる交通費・昼食代:千円〜2千円程度
教室までの交通費は当たり前の費用なので割愛しますが、
あとの2つは、初日のオリエンテーションにて説明を受ける「諸費用」のことです。
これに関しては予め主催者側が情報開示しているので、
ハイイロネコ
懇親会の費用は確か300円とかそれくらいで、以前は2回ありました。
そして、TPO講座&販売会は着物や帯の問屋(※)で開催されるので、
そこまでの往復の交通費と、昼食代(お弁当)が千円前後かかります。
これもかつては帯と着物の問屋で別々に開催されたので2回ありましたが、今は1回のようです。
…と、ここまでが確実にかかる費用。
各自の交通費+2千円もあれば十分かと。
ハイイロネコ
無料着付教室でかかる可能性のある費用
- 着付道具代:数千円〜1万円程度
- TPO講座&販売会で着物や帯を購入する費用:数十万円〜
- 終了証書と修了式の費用:4千円〜8千円程度
さて、ここからが悪評の根源とも思われる費用の内訳です。
これらは、あくまでも「強制ではない」とされているのですが…
どうやら、その販売方法に難あり。
クチコミには、
- 半ば強制的に道具や着物・帯等を買わされた
- 何も買わない人は教室に通いづらい雰囲気
- 持参した自前の着物や道具を貶された
- 買った人にだけ講師が優しい
と言った書き込みがたくさんあり…
とにかく買わされることに対する苦情が多く見受けられます。
では、一体どんな状況でこうなってしまうのか、どんな人が回避できるのかを以下にまとめます。
着付道具や着物を買わされると言うのは本当なのか?
まず初めに言っておくと、この「買わされる」シリーズは完全にこの2つの条件次第。
- 講師と担当者(おそらく日本和装の営業)
- 本人の購買意思とメンタルの強さ
受講料が無料なだけに、講師は選べません。
当たった講師によって講習の質も着付の技術も、受講者の快・不快も変わります。
そして何より「買わされる」圧が強いか否かも講師と担当者によって異なるので…
ハイイロネコ
あとは、本人に購買意欲があれば良い買い物になるかもしれませんが、
何も買いたくないのであれば、何を言われても聞く耳を持たずに笑顔で
ハイイロネコ
と答えて乗り切れるメンタル力がないと、厳しいかもしれません。
第一関門:着付道具は買わなくてはいけないのか?
HPのFAQにこんな記載がありました。
赤線部の3点 に関しては、代用できるものを持っている場合を除いてほぼ必須のようです。
代用できるか否かは講師の判断だと思いますが…
こう書いてある以上、なんとなく買うことになる可能性が高そうです。
私は買った?
ちなみに、私は割と本気で「自分で簡単に着物が着られる」ことを目標にしていたので、
必須の3点以外の道具でも
ハイイロネコ
と思う商品は買い、実際にその後の着付時(浴衣も含む)に毎回活躍しています。
確かそんなに高額なものはなく、高くても千円〜数千円程度でした。
他の生徒は買っていた?
私のクラスでは1つも買っていない生徒さんもいました。
それでも押し売りされたりは全くなし。
講師も手持ちの道具を活かした着付に積極的だったし、
まったく何も持っていない人は、自分の意思で購入していた感じです。
第二関門:TPO講座&販売会で着物や帯を買わされる?
HPのFAQにはこんな風に書かれていますが…
実際には、講師や担当者よりも問屋の販売員による押し売り攻撃が強烈でした。
断れない人がローンを組まされて買わされる、なんて事例が報告されているのも納得。
なにせ、座学のセミナーと昼食会がひととおり終了したあと、
講師&担当者
と言いつつ、販売員が待ち構える大広間に軟禁される時間が設けられているので、
ハイイロネコ
と言う強い意思と、空気を読まないメンタルの強さがないと乗り切れないかもしれません。
私は買った?
当時は2回あったセミナーのうち、1回目は欲しいものがなくて何も買わず。
2回目の時に探していた普段着で、好みの柄があったので購入。
反物は一期一会だし、気に入っているので満足ですが…
それが「お得」とか「問屋価格」かと言われたら、
ハイイロネコ
と、後で知りました。
他の生徒は買っていた?
私のクラスでは、なぜか余裕のあるおばさま受講生が数名いらして…
生徒
なんて意気込んで、一人数本(たぶん百万円単位)とか買っていました。
おかげで、買いたくない生徒同志は隅っこで体育座りしながら談笑して終了。
販売員の囲い込みをかわしてトイレに逃げ込む生徒さんもいましたが、
基本的には欲しい人が勝手に買っていた印象。
ですが、後日クラス内で「クーリングオフ」の話題を耳にした記憶も。
第三関門:修了式@8000円への参加・不参加は自由だが…
そして最後に待ち構えているのが…
修了式と言う名の、買った着物と帯のお披露目パーティー。
私の時は某有名ホテルでの立食パーティーで、
メインイベントは Ms. Kimono 的な(名前は忘れた)コンテスト。
東京の全クラスから1名ずつ代表者が選ばれて舞台にあがり、着物姿をお披露目するのですが…
確か選ばれるのは、セミナーで着物を誂えた人だったような気がします。
これも基本は自由参加。
参加費用は8千円、不参加の場合は4千円で修了証書だけもらうことも可能。
しかし、修了証書もいらないという人のための選択肢がなかったような…
ハイイロネコ
なので、最低でも4千円はかかると覚悟しておいた方が良いのかもしれない。
私は参加した?
ハイイロネコ
しかも代表として舞台にあがり、最高の気分で「日本和装」を卒業した人間です。
他の生徒は参加していた?
同じクラスの生徒さんは、6割くらいの参加率でした。
今考えると、着物やら何やらを買っていた人ばかりだった気もします…
が、参加している人は喜んで参加して、それぞれが楽しんでいたご様子。
なんなら帰りもそのまま着物でお茶会(w / 講師)まで開催してました。
結論:無料着付教室の実態とは?
ここまでの流れでなんとなくお分かりいただけると思いますが…
言ってしまえば、
ハイイロネコ
というのが実態です。
HPにも堂々と記載されていますが…
加盟店(生産者)からの販売仲介手数料で無料着付教室が成り立っているわけです。
つまり、受講者が販売会で1円もお金を落とさなければ、そのクラスは赤字が確定…
となれば、講師も担当者も必死なわけで。
とは言え、
- セミナーへの参加強要
- 着物や帯、道具の押し売り
- 買った生徒と買わない生徒の差別
これらに正当性があるとはまったく思いませんが…
そもそものシステムが変わらない以上、この体質は変わらないかと。
つまり、
ハイイロネコ
と言うことを、正しく理解したうえで受講するべきなのかもしれません。
生徒
と言う強い意思があるなら、感情を「無」にして鋼のメンタルで通い続ける覚悟を。
生徒
と言う人は、楽しむための犠牲(お金)が必要だと考えた方が良さそうです。
あとがき
ちなみに、私のクラスは講師が「大当たり🎊」だったので…
押し売り攻撃や買わない人への冷遇もなく、笑いの絶えない楽しいクラスでした。
そして何より、
ハイイロネコ
長時間着ても苦しくならない+簡単な着付方法を伝授してもらえて大満足。
日本和装のシステム自体は疑問に思う点も多々ありますが…
ハイイロネコ
と言うのも、ひとつの事実。
これから通う人が、良い先生に巡り会えることを祈ります🤞